031:血塗られた神話

血塗られた神話 (講談社ノベルス)

血塗られた神話 (講談社ノベルス)

思ったより素直なハードボイルド作品。もっとアングラなテイストを前面に押し出しているのかと思っていたが、わりあい基本に忠実な作りになっていた。主人公の異様な戦闘能力や敵の背景の設定に無理があったが、そのあたりは許容範囲内かと。それにしても、これをメフィスト賞に送ったのはすごいな。他で落とされた?

030:RIKO

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)

正史賞っぽい作品だと思った。性的人間の多さに多少げんなりもしたが、一種のファンタジーかと思えば、それなりに楽しめる作品であったように思う。

028:一の悲劇

一の悲劇 (ノン・ポシェット)

一の悲劇 (ノン・ポシェット)

テンポ良く読めた。何故かと考えた。法月綸太郎があまり出てこなかったからだ。しかし、人間慣れないことをすると、落ち着かなくなるものだ。読んでいる最中、あまりにするすると読みが進むので、意味も無く不安になってしまった。中盤過ぎたあたりで、法月が登場してあの長広舌を振るい初めてくれた時には安堵を超え、感動すら覚えた(まちがいなく過言)。自分で思っているよりも法月が好きなのかもしれない。ただ、たぶん冒頭から出てきたら、うんざりすると思う。つまり、作中の法月濃度( 法月の登場ページ / 全体 )が自分に合った作品ということだろう。
それは別としても、本作は楽しめた。ラストの登場人物の心理に多少疑問も感じたが、事後を無駄に引っ張らず、すっぱり終わらせてあたりは良かったと思う。
あと、きちんと読み返していないので誤読かもしれないのだが、法月が冒頭で語り手が地の文で言及している内容の誤りを指摘している箇所があった気がする。このシーンを書きたいがために懸命にキーボードを叩く法月先生の姿が目に浮かび、非常に生暖かい気持ちになった。

びっくり

amaikoi2006-02-12

ミステリーランドで出る館シリーズの最新作は『びっくり館の殺人』だそうですね。3月18日発売らしいですが、大丈夫ですか? ちゃんとその日に出せるんですか? 京極先生の時みたいに作者がびっくりなんてことはないですよね?(情報元:Ayalist日記限定版さん)









027:火蛾

火蛾 (講談社ノベルス)

火蛾 (講談社ノベルス)

専門的な知識がふんだんに出てくる世界観を舞台としつつ、謎解きに必要な要素は全て作品の中で提示している。読者は作品の外に知識を求める必要がない。まさに本格ミステリであると言えよう。そして積み上げたものを作者自ら打ち壊すカタルシスは、読者を快感の海への誘うものであると思う。力作。