038:殺人ピエロの孤島同窓会

殺人ピエロの孤島同窓会

殺人ピエロの孤島同窓会

"年齢にしては文章がこなれてる"という作品であり、それ以外はやっぱり小学生が書いたレベルかと。こんなアクロバティックな話じゃなくて、登場人数を絞って、日常生活の中で事件が起こる(日常系という意味ではない)作品を書いたほうが、彼女の文体は映えたんではないだろうか。親戚の女の子が書いた小説を頼まれて読んでみたら、思ったより書けていたというノリで読むと吉。
ただ正直、刊行レベルではなかったと思う。筆者のためにも奨励賞をやって終わりにすべきだったんではないだろうか。巻末の選評を読む限り、どうも刊行の話が先で、そのために賞を後付けしたようである。やはり昨今の文学賞受賞者の低年齢化を鑑み、話題づくりをしようとした版元の思惑がちらついてしまう。