041:虹果て村の秘密

虹果て村の秘密 (ミステリーランド)

虹果て村の秘密 (ミステリーランド)

ミステリーランドの作品として考えた場合、これは非常に傑作だと思う。いつもの筆者通り、ロジカルでありながら、きちんとジュブナイルとしても読める。子供にも読めるように書くということは、中身のレベルを下げることではないということを証明してくれている作品。

040:魔女が死んだ家

魔女の死んだ家 (ミステリーランド)

魔女の死んだ家 (ミステリーランド)

仕掛けが分かりやすいが、構成や伏線の置き方は巧い。作品のスタイルが仕掛けに活かされていたのは見事だったと思う。ただジュブナイルとしての作品と考えた場合、ちょっと大人っぽさが勝っている気がする。妖艶な感じの作品。

039:青空の卵

青空の卵 (創元推理文庫)

青空の卵 (創元推理文庫)

ひいい。なに? このBL! 謎的にはぬるいが、鳥井と坂木の関係が面白くて、にやにやしてしう(腐れ読み)。基本的には善人しか出てこないので、そういう空気が苦手な人は合わないかもしれない。

038:殺人ピエロの孤島同窓会

殺人ピエロの孤島同窓会

殺人ピエロの孤島同窓会

"年齢にしては文章がこなれてる"という作品であり、それ以外はやっぱり小学生が書いたレベルかと。こんなアクロバティックな話じゃなくて、登場人数を絞って、日常生活の中で事件が起こる(日常系という意味ではない)作品を書いたほうが、彼女の文体は映えたんではないだろうか。親戚の女の子が書いた小説を頼まれて読んでみたら、思ったより書けていたというノリで読むと吉。
ただ正直、刊行レベルではなかったと思う。筆者のためにも奨励賞をやって終わりにすべきだったんではないだろうか。巻末の選評を読む限り、どうも刊行の話が先で、そのために賞を後付けしたようである。やはり昨今の文学賞受賞者の低年齢化を鑑み、話題づくりをしようとした版元の思惑がちらついてしまう。

034〜037:四季

四季・春 (講談社ノベルス)

四季・春 (講談社ノベルス)

完全にライトノベル。しかしVシリーズのように中途半端にミステリ色を残すよりは潔いと思う。すきすき萌絵さんなので、秋は満喫した。ただ、既刊作品のつじつま合わせ的なところもあるし、四季というミステリアスな存在に対して、ここまで語る必要があったのかという疑問は残った。

033:赤緑黒白

赤緑黒白 (講談社文庫)

赤緑黒白 (講談社文庫)

もはや『四季』への繋ぎとしか思えない。ホワイダニットとしても、作品が書かれた時期にあえて描くべきものでもなかったのではないだろうか。げんなりする。

032:朽ちる散る落ちる

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

愛せない類のバカミス。冒頭の魅力的な謎を握りつぶし、結局は荒唐無稽な装置に結末を託す肩透かしっぷり。げんなりする。