『ネバーランド』恩田陸

ネバーランド (集英社文庫)

ネバーランド (集英社文庫)

買おうと思ったタイミングでドラマ化されてしまって今までほったらかしにしてました。いやーとっといて良かったなぁ。面白かった。

いい感じに青臭い。妙に達観した高校生が達観したまま終わらないのは筆者本人の言うとおり、作家としての若さゆえなんだろうなと思います。

恩田の作品属性の中では「定点」/「青春」の座標に位置する作品で、ちかいタイプの作品としては『蛇行する川のほとり』があると思いますが、それに比べると本作は若者が実に熱さを持った作品に仕上がっています。

恩田作品でこういうタイプの熱いキャラが出てくるのは、かなり珍しいし、この時期の恩田だからこそ書けた作品なんでしょうね。