シリウスの道
- 作者: 藤原伊織
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/06/10
- メディア: 単行本
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面白かったです。その点については心配はしてなかったのですけどね。幼き日を共に過ごした3人が、決して短くはない時間をそれぞれに過ごし、そして再開するっつう話の作りは斬新さを求めにいくより、王道を取ったものになっております。僕はこういうベタな話は大好きです。
ただ、その少年時代からの流れが主人公の勤める広告代理店の話とうまく融合出来ていないので、そこは残念。どうもフォーカスがどっちつかずになっているんだよね。一つの作品の中に二つの川が流れていて、合わさることなく海に流れ着いてしまったといった感じ。どちらの流れも素晴らしいんだけどなぁ。
でも、この人の作品が読ませるものって、話の流れより場面場面の洒脱さや見せ方の上手さ、登場人物の魅力とかにあるのも事実だと思うので、そういう意味では十分に堪能しましたな。立花部長やばすぎる。まぁあとはラストかねぇ。ちょっと余韻がなさすぎな気がしないでもないけどなぁ。うーむ。