融合ではなく共存

ネクロポリス 上

ネクロポリス 上

ネクロポリス 下

ネクロポリス 下

読み応えありました。序盤から中盤あたりまで冒頭の謎を泳がせて、ミステリとファンタジーを巧く共存させていたように思います。ただ全編通して光っていたのはホラーの要素。地味ながらじわじわと効いてくる恐怖。生理的にキます。キングですか? だから僕としてはこの作品はプログレッシブホラーに属する作品なんじゃないかなと思います。。
上巻は独特の世界観と作中の行事を説明しながらもリーダビリティを失わず快調に進んでいきました。が、下巻入ったあたりからミステリ部分が置き去りにされて、物語が微妙に迷走しはじめた感が・・・・・・。ある種、恒例となりつつある不安が首を擡げてきたものの、ラストは遠くに旅立っていた謎もきちんと集約させ、大長編をなんとか取りまとめるだけの着地を見せてくれたので一安心。ただ結末自体には賛否あるかもしれんですね。他の謎を完全に活かすものじゃなかったからなぁ。
夜のピクニック』で読み始めた読者がこの作品をどう捉えるかすごく興味があります。