小説と言うよりも

しゃばけ

しゃばけ

江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。(「BOOK」データベースより)

ゆるい妖怪小説。京極が堅苦しくてたまらない人にはちょうどいい塩梅かもしれません。

作品の雰囲気自体はのほほんとして好きですが、終始同じ空気でメリハリがありません。事件の緊迫感がいまいち伝わってこないのですよ。クライマックス読んでて、これほど緊張しない作品はひさびさでした。

あとね、一太郎と若だんなを併用しすぎ、意味無く使い分けてんだよな。読みにくくてたまらないよ。ったく。人物(というか妖)描写が極端に少ないのも気になったすよ。佐助に関しての描写が「偉丈夫」だけってどういうことだよ。

内容もわざわざ長編で描くようなものじゃないな。もっと削れる。短編とまではいかなくても、中篇でいい。

小説というより、活字で漫画描いてるという印象がしました。