狐罠への足がかりに

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

古美術の周囲にうごめく、人間の欲望や心の闇。悪意と策略が偶然を装い、目利きのもとを訪れる。骨董店・雅蘭堂を舞台にするミステリー短編集。(「BOOK」データベースより)

ギャラリーフェイク』をイメージしてもらったら、話が早いかと。『狐罠』にも登場した雅蘭堂を主人公にした話です。いつもなら刊行順に読んでいくんだけど、ほら『狐罠』て長いじゃん?(根性なし)
まぁ僕の目に狂いはなく(え、えらそうだわっ)、専門的な世界を分かり易く描いてくれて、ライトな感じで読めました。
あくどい商売敵やトラブルメーカーなアシスタントと登場人物はとてもオーソドックスで、作品のつくり自体に目新しさはないんだけど、専門的な世界を描く場合は、これくらい簡単でいいんじゃないっすかね。
にしても、安積がマジうざくて、読んでてむかむか。まったくもって共感すべき点を見出せないままでいたんですが・・・(ネタばれ)
大きな驚きはないけど、一定のレベルの作品を提供してくれるので安心して買い求められる作家さんです。