福井フェスティバル

戦国自衛隊 (角川文庫)

戦国自衛隊 (角川文庫)

新潟・富山県境に演習を展開していた自衛隊一個中隊が、ヘリコプター、装甲車、哨戒艇もろとも突如、戦国時代にタイムスリップした!彼らの前に現れたのは長尾景虎と名乗る武将、すなわち後の上杉謙信であった。景虎の越後平定に力を貸すことを決意した伊庭三尉率いる中隊は、現代の兵器を駆使して次々と諸将を征圧していくのだが…。果たして歴史は塗りかえられるのか?異色SFの傑作。(「BOOK」データベースより)

自分の中でプチ福井フェスティバルを開催。『終戦のローレライ』のⅢ・Ⅳの発売に向かい、勢いをつけるのが狙いです。
で、そのトップバッターが本作。いきなり福井作品じゃないじゃない! だって『戦国自衛隊1549』まだ売ってないんだもん。4月発売だってさ。まぁでもルーツ読むのは大事だからね。
思っていたより短かったなぁ。もっと重厚な話かと思っていたのですが、200ページもいかないのね。でもたぶん福井は倍以上書くね。つうか設定だけ使った完全オリジナルになることは確実。
歴史トレースもの老舗的な本作はさすがに秀作。主人公たちが戦国時代に呼ばれた理由、そして少しずつ自分たちの知る歴史との間に生まれる齟齬の意味。それらに答えを出す鮮やかな結末には感嘆させられました。
短いから各登場人物の書き込みが少なくなってしまうのは仕方のだけど、主人公とその他多数みたいな構図になっているので、もっとそれぞれのキャラクターにパーソナリティがあってもよかった気もします。結末から考えてもね。あと出てくる自衛隊員が軒並み賢いのが気になりました。