んー

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

君には夢があるかい? 残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きで知らずに他人に勇気を与えたりしている。これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。……え? ぼくかい? ぼくの名は“ブギーポップ”。
第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。上遠野浩平が書き下ろす、一つの奇怪な事件と、五つの奇妙な物語。 （電撃文庫＆ｈｐより）

なんか微妙。駄作ではないと思うけど、賞賛されるほどの傑作でもないという印象。ラノベは門外漢なのでよくわからないのですが、多人数視点をラノベに取り入れたのが当時としては斬新だったのでしょうか？
そういう意味で後続の作品のメルクマークとなったのであれば、その点は評価すべき点だとは思います。それでも僕はこの作品から、巷間で得ているような絶賛の声に同意できるだけの何かを見出すことは出来ませんでした。
すべてにおいて描写が浅いからいまいち共感出来ないんだよなぁ。イラストに頼ってるからかしらないけど、人物描写が少ないし、「バラバラな話だ」と銘打ってる以上はそれぞれのエピソードはもっと独立性、つまりそれだけで完成した作りをしていて然るべきだと思うのです。
ただ「誰が世界を救ったか」という問いに対しての凪の答えは好き。あれで救われました。