010:透明人間の納屋:既
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/07/30
- メディア: 単行本
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登場人物の背景が浮かび上がることによって、トリックが補完されるのは見事で、このあたりは流石なのだが、いささか無理やり感があることも否めない。物語のテーマに合わせ、登場人物を装置として見事に使った仕掛けにはなっている。しかしながら、ただ一点、どうしても納得が出来ない箇所があるので、その点をつかれるとあまり強くは反論出来ない。あれは蛇足だったと思う。
物語としては読めるし(「透明人間」に込めた意味などは秀逸だと思う)、哀愁のある話の締め方にもなかなか心動かされるものがあったので、ストーリー的には満足している。イラストは怖すぎ。