027:火蛾

火蛾 (講談社ノベルス)

火蛾 (講談社ノベルス)

専門的な知識がふんだんに出てくる世界観を舞台としつつ、謎解きに必要な要素は全て作品の中で提示している。読者は作品の外に知識を求める必要がない。まさに本格ミステリであると言えよう。そして積み上げたものを作者自ら打ち壊すカタルシスは、読者を快感の海への誘うものであると思う。力作。